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毒婦 [■BOOK・COMIC]

読み応え度★★★☆☆

毒婦。 木嶋佳苗100日裁判傍聴記

毒婦。 木嶋佳苗100日裁判傍聴記

  • 作者: 北原 みのり
  • 出版社/メーカー: 朝日新聞出版
  • 発売日: 2012/04/27
  • メディア: 単行本

<<本書で初めて知ったこと>>

・父親は行政書士、インテリで上品で洒脱。母親は社交的で町内会系に頻繁に顔を出すタイプ。
・佳苗は未成年時、知り合いの通帳と印鑑を盗んで何百万もおろすが、示談に。父が完済する。
・母親と折り合いが悪く、高校生の時祖母の家へ家出。以来、ほぼ祖母宅に。
・家族を知るものは「上品な部分は父親似、周囲とずれているのは母親似」と評する。
・父親は木嶋佳苗の上京後離婚し、3人の子供を成人後送り出した後、自殺。
・4人殺害疑惑の他に、一度も会わずに金を振り込ませる事に成功した男性も複数。
・一部はホテルで性行為前に睡眠薬を飲ませ、翌日ドロンするという荒業を行使。
・本命の男性Sがいて、その人には何年間も偽名を使用。プロポーズされても断っていた。ちなみにS氏は木嶋逮捕後、実名を初めて知る。


久々に一気読みした。上記抜粋以外にも驚くことばかり。
読みごたえもあり、読みやすくもあったし、物足りなさもあれば、もうこんな女の人生を追うために自分の時間を使いたくもない、とも思う。

最初は、こんな女に騙された被害男性はどんな人なんだ?という不謹慎な気持ちもあったが、読みすすめるにつれ、初心に帰った。

「騙された人は悪くない、騙すやつが悪い」という倫理に。
騙された人はバカかもしれないが、「悪く」はない。
周りには「木嶋はもてない男性に夢を見させたんだよ」、なんて呆れたコメントをする人もいるが、そんな話があるか!たかだか数回のsexで死んでもいいはずかない。
例え彼らが童貞だったとしてもだ。
木嶋とHしなかったら、一生童貞だったとしてもだ。
他の女性と幸せになった可能性もあるし、そもそも女性以外で得られる幸せを得たかもしれないし。
死ぬというのは、あらゆる可能性かなくなることなのだから。

ということで、木嶋が殺人を犯したか、していないかはおいといて、騙すという観点から言えば、騙された方は悪くない。だって、騙そうとする人に出会わない人が、ラッキーなだけだもの。

しかし何故これだけ、男たちから金を毟りとれたのか。
それは、彼女が全く悪びれていなかった事も原因だろうなぁ、と思う。
逆に、彼女が言い繕ったり、言い訳したら、相手に不審がられただろう。
言い訳は、「相手に嫌われたらどうしよう」という良心が働く。嘘をつく側に罪悪感がある場合は、まだ善意の欠片が残っている。だが、木嶋は違う。

三十路の癖に、「学生だから最初から学費を支援してくれる人」とシャアシャアとのたまい、支援してくれないと契約違反かのように責める。
そこには会社に対する責務のようなものも漂い、男たちに「確かに最初に約束したから…」などと、何故か社会違反しているような気にさせたのだろう。
恋愛は契約じゃなく、信頼で成り立つのに。

多少、北原さんは木嶋を美化している気もする。「思ったより上品で色っぽい」「抜けるような色白で清潔感がある」。少しドラマチックに肉付けしてあげないと、内容も乏しくなるし、読者が木嶋への嫌悪感で読了しないかもしれない。それとも本心だろうか。

婚活サイトに臨む際の、男性側の女性への要望をやんわり批判するくだりも、客観的ではない気がした。
そういう場でどうしたって高望みになってしまうのは、男女とも同じなのでは。自分たちが、自力では相手を見つけられなかったことはわかっていて、だからこそサイトに集まるのは同類項なのだと思うと、その中で「玉(ぎょく)」を見つけたいと思うのは男女とも当然じゃないのか。
しかしまあ、初めてホテルに行った相手と、Hする前に唐突に記憶を失ったにも関わらず、「Hしましたよ~」と言われ、いぶかしみつつも「覚えてないので次もまた会って見ませんか?」と言える男性に対して、「男は女性より随分安全な場所にいるのだな」という見解は100%同意。
それに対して「次は何が起こるか楽しみですね」とのたまう木嶋にもぞっとするけど。

話はそれたが、木嶋は99.9%ブラックだ。
しかし状況証拠しかないのも事実だから、本当の本当に男性達が自殺した可能性は拭えない。
練炭を購入したのは木嶋だと判明しているケースもあるが、大出さん宅で使用した物と一致しているのかはわからない。
そして「ふったら凹んでたので、自殺したんだと思います。練炭は料理に使いました」などと言われたら、それ以上どうしようもない。睡眠薬+自殺というのは本当に大胆で巧妙で、腹立たしい。

でも死刑になった。みなが木嶋を死刑にしたい、という意思も少なからず感じられる。
被害者宅で、途中まで使用された練炭がバルコニーに捨てられていて、自殺者が途中で捨てる事は在り得ないという事も、判定に影響しているようだし、供述の矛盾もあるが、死刑たる根拠に弱い。
今後の控訴審の行方がどうなるか心配だ。


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SAKE HALL HIBIYA BAR [■グルメ]

■気軽に日本酒カクテルが楽しめるお店

http://www.hibiya-bar.com/shop/sake_hall/index.html

あのHIBIYA BARの日本酒専門店。
といっても熱燗はなく、オリジナル日本酒カクテル専門です(冷はあります)。

少々面白いシステムで、日本各地の7つの蔵元の名がついたエリアに分かれていて、その銘柄(で作ったカクテル)しか飲めない。
しかし中央のホテルのラウンジのようなエリアでは、全ての蔵元の酒が飲める。
自分のお気に入りの日本酒がはっきりしているのであれば、個室感覚の蔵元エリアも面白いと思う。

なぜ酒をわざわざサキと発音するのかはわからないが、とにかくカクテルが美味しい♪
生酒がきつくて飲めない人にもお勧め。

わさび入りの酒は好き嫌いがはっきりわかれると思うけど、私は好き。
なんか癖になった。
店内の落ち着いた内装と、スタッフの丁寧さも好きです。
割引サービスも初回から食事20%オフと半端無いのでまた利用したい。

ちなみに入り口の巨大草玉が気になったので聞いてみたところ、昔の蔵元にはよく吊るしてあり、青々とした草玉が茶色くなったら醸造の一定の区切りとしていたそうです。

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↑このように蔵元の名前が掲げられている

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↑わさび入り!

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↑入り口の草玉
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杉本博司 ハダカから被服へ [■ART]

■原美術館

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↑エントランスにも既にオブジェが

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↑裏庭からみた風景

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御殿山の閑静な住宅地に紛れるように現れる漆喰塀。
白壁に瓦、御殿のような門の中は、予想を裏切るモダンな邸宅。訪れたのは中学生のとき以来。
エントランスからはあまりアール・デコ調だという外観はわかりませんが、中庭から俯瞰すると様々な意匠が施されているのがわかります。
こじんまりとしつつ変化に富んだ部屋の数々は歩いていて飽きないし、部屋数も程よいボリュームで疲れない。国立博物館なみの規模だとヘトヘトになりますもんね。
 
もともと原俊夫さんという個人の邸宅で、1979年に開館。曽祖父は大実業家の原六郎、祖父は日本航空の会長などを務めた原邦造だという。
 
設計は渡辺仁という人だそうで、私は建築家に疎いのですが、東京国立美術館や和光ビルを手がけた人なんですね。そんな人に頼めるとは、権勢のほどがわかります。
戦後GHQに接収されて取り壊される話も持ち上がったことがあるらしいけど、頑丈だったので時間も経費もかかるからか、取りやめになったとの事。イヤ本当に残ってよかった。
 
この美術館は本当によい。何がいいって気持ちいい。
邸宅を囲む木々たちが大きな窓からよく見えて、風に揺れるたびに自分がテラスにでもいる気分。
全体的にゆるくカーブした本館には、扉の先に、壁の中に、お手洗いや突如現れる空間の裂け目にアートが隠れてる。他人の部屋を覗いてるちょっとした背徳も感じるし、ホテルの中を探検している気にもなる。


杉本博司さんはTVで知ったばかり。稲妻をフィルムに焼き付けて現像するという作品に取り掛かっていた。
類人猿の写真は、フィギュアを作ってそれを写真にとったというので興味があり見に来た。
類人猿たちの背景は肉筆だろうか。もやがかった遠景が類人猿の存在感を際立たせる。今まで見た「再現された類人猿」の中で、一番リアルに感じた。
「猿の惑星」のような被り物でもなく、CGでもない。不思議な立体感。

ネアンデルタール、クロマニヨンと続いて、急にスパルタカスになる。
映画のワンシーンのように美しい。
素材が「ゼラチンシルバープリント」としかないので、この方の「ポートフォリオ」という蝋人形シリーズなのかもしれないが、わからない。

現代の被服になると、山本耀司・三宅一生・川久保怜の御三家も登場する。それまでのイブ・サンローラン、シャネルらシルエットの美しいドレスに比べると、どれも挑発的。

モノクロの写真は、やっぱりいい。想像する色や手触りは十人十色だろうから。
陰影そのものもそうだけど、手探りで実体を捕らえようとするから眺める時間が長くなり、あたかもそこに在るかのように錯覚する。
階段に、被写体のドレスが飾られていたが、自分の想像した物と遥かに違っていたので驚いた。

「私であるためには、私は私を装わなくてはならない。現代文明のただ中では、裸は許されない。」「裸でいられる短い時間、それは入浴の時と、子孫繁栄の時。私が子孫繁栄の時へと導かれるためには、夥しい擬態と演出が必要だ。私が私を裸の恍惚へと導くためには、夥しい数の服が必要とされる。」
杉本博司という人は、芸術家は哲学者でもある。



カフェテリアではパエリアとコーヒーを。
なかなか本格的に美味しい。中庭に配置された美術品を眺めながら都心をひと時忘れるのもいい。

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↑ダニエル ポムロール/「自分に満足しない私」1982年
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↑不完全な立方体

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↑イサム・ノグチ作


アーティスト [恋愛・スポーツ・コメディ]

お気に入り度★★★★☆

http://artist.gaga.ne.jp/

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話はわかりやすいほど単純。ベタベタなラブロマンス物にならず爽やかな余韻を残している理由は、単純にキスシーンが一度もないからだと思う。ペピーが甘い恋心だけでなく、ジョージに描いてもらった「つけぼくろ」が成功の架け橋になったことへの感謝もしているからこそ、彼女が何年も彼を見守ってきたことへの説得力がある。

火事の中ジョージが1つだけ持ち出したフィルムを、病院でペピーが観たシーンは泣けました。
私はジョージが自分で撮影した映画のフィルムだと思ったけど、ペピーと初めて一緒に撮影した映画だったんですね。
彼もペピーが好きだった、という単純な恋心を示すものではない。
彼にとってはこの時が絶頂期で、自分の銀幕のパートナーにペピーを迎えて更に飛躍する様を思い描いていたと思う。それが一転、瞬く間の挫折。良くも悪くも自分の運命を変えた出会い。胸に去来する様々な感情を考えずにはいられないシーンでした。

質屋のショーウィンドウで自分が売ったタキシードを眺めるジョージ。
そこへ話しかける警官。あそこも色々な解釈が出来ると思う。
私は、彼が「周りの声や音は聞こえるが、自分の声だけ聞こえない」夢を見ていたことから、逆に誰の声も聞こえなくなってしまったのだと考えた。
そうするとあの夢のシーンがまさに生きてくるし、「誰も過去の男の声など聞きたくない」という自虐的台詞にもつながるからだ。
だけどただ単に、警官がジョージをかつての銀幕スターと気付かずに「そのタキシードを着ていたかつての銀幕スター」の事を戯れに話していただけかもしれない。
監督の頭の中にはきちんと構想があったのでしょうが、理由はどうあれ、深く苦悩しているという姿が伝わればいいのだから説明などいらないのだ。

アーティストは、無声映画のメリットも最大限に生かしてる。
夢のシーンに戻る。観客は「無声映画だから音がするわけがないのに」と思い、フィルムのジョージは「自分は無音の世界にいるのに」と思う。観客を「映画を観ている」と現実に引き戻してしまう危険性もあるが、襲い来る不安感をダイレクトに示唆している。
「無音」の効果もいい。固唾を飲む、心臓が止まりそうな緊迫。
小説のような行間が生まれ、心の機微が手に取るように分かる。
そういえば、ペピーの家でジョージが競売で売ったはずの自分の持ち物を発見するシーンはやたらスリリングなBGMだなと思っていたら、それもそのはず「サイコ」の音楽だった。ラストは完全にフレッド・アステアそのものだし、色々なシーンで過去の作品にオマージュを捧げているんですね。

しかしジョージが何故これほどチャーミングなのかというと、挫折はしても「堕落」はしてないからなんですよね。
トーキーには絶対出ないという矜持から、自分が無声映画の遺物だという諦観に変わる姿は切ないけど、最後の最後までダンディズムを漂わせていた。
主演のジャン・デュジャルダンは個人的にはクラーク・ゲーブルを彷彿とさせる人だなぁ・・・と。ハンサムなのに母性本能をくすぐります。

最後に言及しなきゃいけないのは、やっぱりアギー!
前脚で目を押さえたり、ジョージのズボンを懸命に引っ張ったり、猛ダッシュで警官に火事を知らせたり、退屈せずに見られたのは彼のおかげ。
アカデミー賞でもキャストらと一緒に楽しげにステージにあがっていたっけ[ハートたち(複数ハート)]
また彼の名演が観たいなぁ、どこかで[わーい(嬉しい顔)][ぴかぴか(新しい)]

映画の後は六本木ヒルズの水牛のモッツァレラ専門店、「オービカ モッツァレラバー」へ。
水牛って、あの茶色いやつでしょ?ってな感じで、ホルスタイン乳牛のチーズとどう違うのかも知りませんが、とにかくチーズ好きとしては堪らない響きです。
イタリア発祥の店で、世界主要都市に店を構えてますがアジア一号店がこちらだそうです。
ビル内から行くとなかなか辿り着けなかったので、面しているけやき坂から入ったほうがいいかもしれません。
  • 「米ナスグリルとトマトソース、水牛のモッツアレラチーズのせ」
  • 「ワイルドサーモンのスモークとルッコラを包んだロートリ」
  • 「ピザ・クラシカ」をオーダー。

モッツァレラなのでどの料理も濃すぎず飽きが来ない。なのに、このまろやかさと主張しすぎない甘みはどうだ!んー美味!

ロートリは、カンパーニャ地方伝統のロールモッツアレラで程よい噛み心地、野菜とよく合う。
クラシカは甘みのあるモッツァレラの事で、それを利用したマルガリータのようなシンプルなピザ。モッツアレラとバジルとトマトソースのみですが、三種の風味がきれいに際立っていた。ピッツァ生地を噛んだ時に溢れ出るトマトが本当にジューシーで。
とにかく全部、ビールと合う~!

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意外と満腹になるガレット [■グルメ]

■プレッツカフェ・クレープリー

ラゾーナ川崎の二階、駐車場側のひっそりとした場所にあるガレット専門店。
表参道が本店です。
いやぁこの場所、勿体無い。店内は白壁にダークブラウンの木で若干スイスの山小屋風?

ガレットは想像以上に満腹になりました。最初はクレープみたいに薄くておやつ程度にしかならないのだと思っていたけれど、いやいや全く!
全体はチヂミくらいの厚みで直径20~25cmくらいの四角形、生地はもちもちしていて味がしっかりついている。
塩が効いていると思うが、しょっぱいわけではなく、例えて言うなら濃い鰹出汁をたっぷり入れたような。味音痴の私には、何が生地に練りこまれているかわかりませんでした(笑

サラダとアイスクリームとシードルがついて1680円。高いと思う無かれ、本当に満足できますから!
アイスクリームの代わりにクレープのセットもあります。
今度は目いっぱいお腹を空かせてクレープセットを食べよう!と心に誓ったのでした。
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