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メトロポリタン美術館エジプト展【女王と女神】 [■ART]

●HP・・・http://www.tobikan.jp/exhibition/h26_metegypt.html

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エジプト展は毎年のように行われるし、飽きるほど行ってはいるのだけと、毎年何かしら発見があるから凄い。
何せ古代エジプトと一言で言っても五千年近くも長いのだから、知ったつもりでいるのもおかしいのかもしれない。

その長い月日を考えると、むしろ遺物が少なすぎるとも言えるかもしれない。
失われ、埋もれ、盗掘され、奪われ、忘却の後に、奇跡的に残った宝物を現代見ること自体が奇跡なのだろうなぁ。

今回は「女王と女神展」ということで、【ハトシェプスト女王】がメインの収集品なので、全体的に柔らかく美しいものが集められた。目をひいたのは、ハープとシストラムという楽器。シャラシャラとなる、神道の巫女鈴と用途は同じだろうと思う。

この二つは展示品の前にくると、頭上から音色が聞こえてきた。
センサーによって、というわけではなく、ずっと鳴っているのだけれど、真下に来ないと音が聴こえないようになっているようです。不意に滑らかに聴こえてくる調べに心誘われます。

最近、ようやっと海外ドラマ【LOST】を見終わったのだけど、もうこれが後半になってくるとエジプトのアイテムをどんどん借りパクしたネタが満載。まあその話しは後述するとして、ドラマに登場するタウェレトというカバの女神と、セネトというチェスのようなボードゲームの実物が展示されていて、(自分の中で)タイムリーなのでとても嬉しい。

セネトは、二種類の駒で先に相手の陣地の端に自分の駒が(幾つかは忘れました)つけばいいというもので、長方形の心太押し出し器を太らせたような(笑)形をしていて、裏面も他のゲームに利用できるという優れもの。

タウェレトはカバ&垂れ乳の異形。その表情はカバそのものなので、畏怖はあまり感じない。
それと同じようにラー神(ハヤブサ)は最高神であるはずなのに、非常に可愛い。
私にはもはや雀にしか見えない(笑)。

ハトシェプストは新王国時代の女王で、非常にエジプトが安定した時期の統治者だったという。
王が幼いので成長する間、代わりに統治する例はいくらでもあり、日本でも推古天皇が有名。
しかしハトシェプストの死後、トトメス三世が彼女の彫像などを壊してしまったという。
勿論全てではないから現在ハトシェプストに我々は出会えるわけだが、二人の間には何かあったのだろうか。
それとも、ハトシェプストの死後、その威光に自分の評価が圧迫されたのかもしれない。

よーく家系図をみるとハトシェプストはトトメス一世の娘で、異母兄弟と結婚している。
で、自分は本妻だが娘しか産まれず、夫の第二王妃(妾)の子供に男児が産まれて、それがトトメス三世。
これって、うーん、何やらドロドロした予感…。

副葬品や日常品で驚いたのは指サック。
黄金、しかも指の爪までしっかり描かれているという徹底ぶり。

化粧品の一つ、コホル(アイライン入れや、他にも用途不明だが髪のコテではないかと言われているジャッカルの道具もあって、その形状を見ると、化粧品の道具というのは現代でもそれほど変わらない。

ビーズやらカフブレスレットなども現代で売られていても不思議ではないし、現代のデザインというのは過去の全て模倣のように思えてしまう。

お馴染みのカノポスは、ミイラの流行りがあって、臓器は入れなくなっていったらしく小ぶり。
だけど、慣例として、また臓器を守るまじないとしてカノポスは作り続けられたという。

あ、ちなみに。周囲に知らない方がたくさんいたのですが、護符として頻繁に登場する【スカラベ】
ふんころがしのことです。
糞の玉に卵を産み付けてその中で幼虫は育つのですが、そこから成虫として出てくるので「再生」の象徴になったとか。
ファーブル昆虫記を読んでいてよかったw

日本のように文献が沢山保管されているわけではないから、エジプトの遺物はその形状で判断するしかないものも多々あると思う。しかしそれが逆に未知への好奇心を誘うものなのですね。

ところで!!今回の展覧会コラボグッズは乙女心をくすぐるものばかり!
特にビビアン・タムのバッグとネックレスがひっじょーに可愛い!!
朝日新聞の通販でも購入できるので、迷います。これはビビアンのためにも買ってあげて欲しい。
だってほどよいエジプトのエッセンスがきいてて傑作だものー。


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真夏の夜の動物園 [■お出かけ・雑記]

■上野動物園

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真夏の…といって、あまり期待するとがっかりしてしまうかも。
夜の開演時間だからといってわざわざそこに合わせて来園するのではなく、午後からの流れで居残った方が絶対お得。

そして、きっちり夜行性の動物を必ずチェックしましょ〜!!
夜行性の動物以外はほとんど見れません。

なんでかというと、すべての動物が20時まで見れるわけではない。
なかには17:30にしまわれてしまう動物もあり、18時、19時と漸次クローズしていく。
広場にねぐらがあったり、飼育小屋に帰らない動物はいるにはいるものの、特にライトアップはしていないので「なんかいる…っぽい」という状態(笑)

飼育小屋を内側から観察できるはずのクマーの様子も、室内が暗く見えません。
寝姿を楽しみにしていたから、これはがっかり。
コンドルなどの猛禽エリアはエリア自体封鎖。19:00近くにしまってしまいます。

触れ合いイベントの【蛇との記念写真】は50分待ちだったのでやめました。
馬のお散歩もただ歩くだけで、誘導の方に時間がかかってしまったせいか、お散歩というより「移動」ですね。

特に遅いイベントが集中した西園の売店も混雑、東園にもどったらバードハウスの鳥たちもどこへ消えたのか空っぽ。
夜行性の動物たちの室内は、昼間を夜にしているので、逆に昼間にしていますが、それは裏を返せば「活動停止」しているんですよね。束になって隅に固まっているコウモリたち、それを必死で探す人間たち(笑)

結局、爬虫類館で半分の時間を費やしました。
それはそれで、前回ゆっくり見れなかったコーナーなので楽しめました。
あとはシロフクロウ、アビシニアコロブス 歩き回るバク
夜でも手を休めることのないプレーリードッグ(笑)、それなりに楽しめましたが、オオカミを見逃すなんて!!

段取りを間違えると疲れて暑いだけです。
勿論、夕暮れに活動を始める野生のこうもりや、暗闇にぽっかり突っ立っている鶴を発見したり、日曜の父さんよろしくだらしなく寝そべっているアシカを見たり、爛々と目をギョロつかせるシロフクロウなど、夜には夜の面白さもあるのですが、午後から居続けて夜を楽しんだほうがいいです。
ほんと一旦落ち着いて、しっかり時間と夜行性動物を確認しませう!

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↑エミュー

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↑馬のお散歩のイベント

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↑最強の毒をもつヤドク蛙可愛い顔してるのになー

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↑オオサンショウウオ!

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↑チュウゴクワニトカゲ

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↑ニシアフリカコガタワニ。
あまりに微動だにせぬので、本気で「園内に配置されたオブジェだよ」と言っていた若い人がいたが、ワニの檻にわざわざ置くか・・・?むしろ動物って獲物を狙う以外は体力温存で無駄な動きはしないものだよね。

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↑アフリカウシガエル。なんだかふてぶてしい

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↑ウーパールーパーではなく、メキシコサラマンダー。
「オー知ってるわ!これね!」みたいな、キャッキャッ反応している外国人がいたが、近所でよく見かけるのか?

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↑ヨシジオビトカゲの前でコテンと眠るホウシャガメ。仲良し♪

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↑テングキノボリヘビ。よーく見るとバクのような顔がこっち向いてます

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↑イグアナも睡眠中

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↑トウキョウサンショウウオ。ぬめってますねー

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↑ニホンアマガエル。吸盤が可愛いんです!にわかにアイドルと化していました

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↑ニホンスッポン。伸びすぎじゃない…?

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↑ワオキツネザルがウロウロ散歩するロープの橋

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↑そろそろ帰りますかーという風情のペンギン

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↑クマーは団子になって睡眠中・・・

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↑アビシニアコロブスが座って睡眠。書道店の巨大筆みたい

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↑岩と一体化したアザラシの親子


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宇宙博2014・後編 [■お出かけ・雑記]

■JAXAエリア

宇宙ステーションが中に浮かぶなか、広大なエリアのどこから見ていいかわからなくなります。
一番巨大な「きぼう」のレプリカは、さまざまな実験用のモジュール。
宇宙ステーションの中で、一番危険な場所につけられたんですよねw。
映画【ゼロ・グラヴィティ】では宇宙ステーションのなかで中国のエリアに退避しましたよね、確か。

しかしここでも説明板は無いので、スルーする人が多かった。
私は制御装置?に置いてあるラップトップに注目。映画【アイアン・スカイ】でも、iPhone(ipadだったかな?)で基地を動かすというギャグがあるくらいだから、今の高性能なパソコンに頼るところはあるのかもしれない。
何せ、アポロの時は演算機能が電卓並みのコンピューターだったわけだから。

そういえば、キロバイトやメガバイトの説明について、小中学生が「バイトってなに?」と親に聞いていて、なにか安心しました。
「いまどきの子供でも、知らないんだ」って(笑)

あと、食料保管庫が円形のハッチでがっちり閉ざされているのも現実感があった。
宇宙船の扉は円が多いですね。というか、円しかない?

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↑きぼう

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↑まさにパソコンが主役

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↑食糧保管庫のハッチ

トイレと寝室、こういう生活感たっぷりの展示も面白い。
体を支えるバーと踏ん張れるように踏み台、大便は直径30センチくらいの円トイレで吸出し、小は漏斗型のノズルで吸い出す。宙に浮く中、大変だろうなぁ。

寝袋は体をすっぽり覆う。
常々疑問なのだが、寝るとき固定するのは当たり前として、常に宙に浮くというのは、体の力を完全には抜けないのだろうか。
例えば腰を固定しても腕がフワッとなると、それだけで疲れるものなのだろうか。
それとも重力がないから、痺れや肩こりとも無縁で何も感じないのだろうか?

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↑寝室

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↑お手洗い

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ところ変わって、日本のロケットの歴史コーナー。
ロケットの祖と言われる糸川博士のペンシルロケットがありました。
ロケットノウハウがまったくなかった日本では、小さなロケットで実験を繰り返し、今のイプシロン(薬みたいな名前だな)まで発展を遂げるのだが、そのペンシルロケットを毛利さんは宇宙に持っていったとのこと。
いろんな思いが込められてたんだろうな。
小さな女の子が「これ誰が乗るの?」と聞いたときは笑った。
アリエッティじゃないんだからw

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↑毛利さんら宇宙飛行士の身に着けたものたち

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↑おなじみのはやぶさ

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↑おなじみのイトカワ!

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↑ペンシルロケット

未来の技術のところで、出ました、宇宙エレベーター。
これ、絶対無理というよりムダな気がします。
スペースデブリにぶつかる危険性、他の衛生の軌道、宇宙放射線、メンテナンス費用、リスク多すぎないか?
素人の疑問で恐縮だが、大気圏にずっと物質が触れていても大丈夫なの?

そんな鋼材あるのだったら、いくらでも困ってる人を助けられる。
せめて、スペースデブリの問題をクリアにしてからにしてほしい!

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↑未来の宇宙ステーション

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↑宇宙エレベーターのイメージ模型

さて、ここまでふりかえって、
個人的に、一番感動したのは、フリーフォール【プロジェクト・エクセルシオ】の実験。
全然メインではないですよ。
ただ、成層圏の高度3万8000メートルの上から、身一つで飛び下りる映像に釘付け!
地球が丸い…吐く息が凍る…オゾン層にいる…そんな高さから飛び下りる。
それなのに、きちんともといた場所に着地するんですよ!
成功した時は思わず涙ぐんでしまいました!また映像と音楽がいいんだわぁ…

何のためかは忘れたけど(笑)、人の限界を確かめるのは間違いない。

お土産コーナーでは結局ね、結局…
スターウォーズグッズを買ってしまった…自分がいました…ごめんねキュリオ君。

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↑もうほぼ宇宙!ここから飛び降りるんですよ?ありえない!

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↑南極で採取された鉄隕石

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南極で採取された火星の隕石

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↑月の隕石

 


宇宙博2014・前編 [■お出かけ・雑記]

●HP… http://www.space-expo2014.jp/

行ってきました宇宙博。遠いぜ・・・幕張。
激混みを予想して行ったらそうでもなかった。ゆったり回ってお土産コーナー含めて2時間くらい。

コズミックフロントのファンとしては、番組で紹介されたテーマがコーナー化されている感覚。
でも、全く興味ない人にはどうやら不親切だったみたい。
まず、パネルの表示がバラバラ。パネルもあったりなかったり、あってもとても小さな文字サイズだったり。
各衛星のスペックなど、ガラスに顔をくっつけるようにしても見えない文字もあった。

にもかかわらず、スタッフによる解説もほとんどない。
宇宙エレベーターのデモとスペースシャトルへの誘導のときにチラッと居たくらい。
せっかくのイベントなのに、足りない事が多いですね。勿体無い!!
と、苦言を呈したところで、中身に入ります。

■A HUMAN ADVENTURE

まだ宇宙が夢物語だった時代の、映像作家やSF作家による宇宙構想を紹介。
【月世界旅行】や、H・G・ウェルズなど、映画ファンにはなじみのある人物が紹介されている。

アメリカとソ連の宇宙開発競争の歴史をたどる。
いつもソ連に一歩先んじられているアメリカ、二つの大国の当時の映像とパネルを合わせて説明しているが、ソ連のガガーリンが先に宇宙に行ったことが一番重要な点で、他は政治的なので子供には大人がさらっと解説してあげて先に進むのがいい。

■NASAの宇宙開発

次のエリアではいよいよ、実物大の模型などが登場。
アポロ月面車には興奮。子供にとって、屋根もドアもない車というのは想像しにくいよう。
アポロ計画と言うのは非常に有名ですが、地球周回やスカイラブという宇宙ステーション打ち上げと、そこへの宇宙長期滞在も含まれていて、月面着陸計画だけではないんですね。しかも月面着陸の成功は7回なんですね。
しかも17・18・19号は、予算削減で中止・・・と、残念さをアピールする表記だったが、でもその予算はさらにスペースシャトルという更にスケールの大きい予算に枠組みされるという・・・プロジェクトが違うだけで宇宙開発に使うという点では同じじゃ・・・と突っ込みました。

NASAの展示エリアではスペースシャトル「アトランティス」などが目玉。
そのほとんどは実物大モデルですが、スケールがわかると実感が湧きますね。

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↑歴代ロケット・スペースシャトルの模型

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↑初期のロケットエンジン

爆発に筐体が耐えられるよう、熱しながら冷やすというシステムが解説されている。

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↑アポロ計画に使われたサターンVロケット

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↑ロケットの構造を説明

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↑ロケットの先端部分

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↑宇宙服変遷のコーナー

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↑現在の船外活動用の宇宙服。
手首には鏡。、服についている番号は反対に書かれている


ここにはかかれていないが、マジックテープは宇宙においてはアポロ計画で初めて使用されて非常に役立ったという。
また、マーキュリー計画では宇宙船内だけでの使用だけだったが、ジェミニ計画では船外活動用に改良が求められたという。
ちなみにマーキュリー計画はアメリカ合衆国初の有人宇宙飛行計画で目的は地球軌道にのせること、ジェミニはマーキュリーとアポロの間に計画された有人宇宙飛行計画でアポロのためのランデブーやドッキングの研究が目的。

マーキュリーはあまりに狭いため、乗るではなく「着る」と形容されたらしいw。

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↑↓これがそのマーキュリー
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↑月面着陸で実際に使用された道具類

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↑月着陸船の乗員室

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↑地球帰還の際の巨大なゴムボート

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↑実際に使われたパラシュート!下は「アポロ17号」司令船

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↑アポロ指令船

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↑ハッチの内部。非常に頑丈かつ細かなレバーが沢山

スペースシャトル、アトランティス先端部のコクピットはやや混雑するものの、一瞬列が停滞するくらいでじっくり見れます。
このコクピットはようやっと人が人らしく体を伸ばせる大きさ。いかにも宇宙へgo!って雰囲気が漂ってるぜー。
八人乗れるそうですよ。ま、スペースシャトルはロケットにおんぶされて周回軌道に乗るだけだからなー。

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オール・ユー・ニード・イズ・キル [SF]

★満足度85点

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All You Need Is Kill (集英社スーパーダッシュ文庫)

All You Need Is Kill (集英社スーパーダッシュ文庫)

  • 作者: 桜坂 洋
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2004/12/18
  • メディア: 文庫

All You Need Is Kill 1 (ジャンプコミックスDIGITAL)

All You Need Is Kill 1 (ジャンプコミックスDIGITAL)

  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2014/06/19
  • メディア: Kindle版


All You Need Is Kill 2 (ジャンプコミックス)

All You Need Is Kill 2 (ジャンプコミックス)

  • 作者: 小畑 健
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2014/06/19
  • メディア: コミック

■死ぬことが前提の新たなループもの

原作を読んでから、映画を観ました。
原作は素人の若者たちがやむなく戦わざるを得ないぐらい人材が欠乏している圧倒的不利な状況下で、ループに巻き込まれる主人公の至極個人的な葛藤を描く青春モノですが、映画はトム主演で年齢層が高く、スケールの大きいプロ軍人モノとしての印象を受けます。
勿論、トムは最初よわっちいですが。

ループを信じない上官との軋轢や、ギタイを戦略的に駆逐しようとする映画のシナリオに対して、小説の方はたった一人の理解者を失う若者の切なさが強調されています。

どちらも別物として楽しめます。

ループするたびに「戦場のビッチ」ことリタを好きになる主人公、という図は共通してますが、映画では言葉にせず早いカットで表現するのがうまい。
トムのリタを見つめる表情がどんどんシリアスになってきて、目に真剣さが宿る。
彼に守りたいものが生まれた瞬間は、とても惹き付けられるシーンだ。

また、青臭いライトノベル的要素は削られているものの、原作へのオマージュはそこここにあり、例えば原作で心痛と疲労のため一人で居る事が好きなリタは、映画でも孤独を好み一人広いスペースで高度な訓練を行っており、最初のシーンで原作の「前支え」的なポーズをとっている。

かなり重要な珈琲のシーンはサラリと描かれるが、逆にケイジのリタへの恋心が表されていると思う。
原作のリタは超細身なのに巨大なバトルアクスを振り回すが、それはあまりにアニメ的なので、カッターナイフのような剣になっていたり、リタのボディスーツも真っ赤ではなく赤いペイントが雑に塗られているだけなど、非現実さは排除されている。

また、ラストとその後の予想される未来は違うと思いますが、私はどちらもいいと思いました。
リタへの恋心はケイジだけが抱えているという点では、映画版のケイジも孤独であることに違いない。
(宇宙にはたくさんのギタイがまだ漂っているとはいうものの)とりあえず地球のギタイを掃討したというからには、リタとケイジは戦闘仲間にはもうなれないわけだし、あれほどの戦いを共有してないわけだから。

概ね満足したのですが、あえて、二つの媒体で異なる点や疑問を書くことにします。



◆原作

・ケイジがたまたま第一戦でギタイ・サーバを倒したあとは、リタが代わりに(意図せずに)サーバを倒していたため、彼は二回目以降はサーバを倒していないもののループの対象となってしまった…というのが、やや出来すぎな気もするが、しようがないのかもしれない。

・もし、ケイジの死の後に長いことサーバが生き延びていたとしたら、ケイジの生死に関わらず時間は進んでいくことになる。にも関わらず、対象者はケイジのままなのだろうか。もう一度リタになることはないのか。

・もし、サーバがたくさん存在し、ケイジ以外の人が倒した場合、ループ対象は複数になるのだろうか、それとも最新の討伐者に移行するのだろうか。

・原作の上官フェレウはブラジル人なのですが、日本人が無理して借り物の外国人風のセリフを話させているようで。
ケンジがリタとの闘いの後で、先輩のヨナバルが文句を言うのもなんだか不自然。

◆映画

・原作の設定に限界を感じたのか、αとΩがあり、全てのギタイはΩの一部という設定に。
αの血には人類抹殺を可能にするため、未来から過去へと情報を伝送する役割がある。
ケイジはその血を浴びたため、ループ機能を得られるが、浴びただけで…ってのもなかなか無理矢理(笑)


いかにもハリウッドらしい終わり方だったと思うが、次回作を匂わせるような終わり方ではないのは好感。
ケイジが最期に再びαの血を浴びたために、ループ機能を身につけ過去に戻るものの、ギタイ(Ω)自体は殺しているため、ギタイが滅びた過去になっているということでいいのだろうか。
また、ケイジは単独でそのパワーを得ているため、彼がこの先死んだら、また過去に戻れるのかと、ふと頭をよぎった。

面白いのは、ギタイのビジュアルが3媒体いずれも違うこと。
原作では「溺死したカエル」と表現されているが、コミックは深海からきたことに着想を得たのかウニっぽい。
映画では、どうもエイリアンの呪縛から逃れらなれないようなビジュアルで、触手が多いヒトデのようだ。
さらにαはライオンがベースのような悪魔のような顔。
西洋と東洋の思い描く化け物の差がここにもあらわれた。


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