So-net無料ブログ作成
検索選択

インターステラー [SF]

★満足度90点

■愛は未知数のシグナル


人間=肉体という器が朽ちるまでの時間と、深淵膨大な宇宙空間を移動する時間との闘い。
ブラックホールやワームホールを極限まで可視化した未来の映像。
空間のマジックによってすれちがう親子、それぞれの戦い。

様々な見所にあふれたこの作品を、
「物理学上の理論で最高に面白い」とも
「未知に挑む人間の勇気を描く史上の傑作」とも
「再会を諦めなかった親子の愛情」とも
はたまた、「地球がだめなら他の惑星、というアメリカのパイオニア精神についてはいけない」
など批判的な意見も、観点によって様々あるだろう。

だけど私は、アメリアが言った「愛は科学的に未知の力」という台詞が忘れられない。
劇中のクーパーには一笑に付されてしまったが、実はこれが一番のキーポイントだと思った。

愛というとただの心情を表す概念や言葉だと捉えてしまうが、人が強い衝動で何かエネルギーを発し、空間に介在する物質を突き動かし、光と同じくらいの速さで信号を送れるとしたらどうだろう。
または、知らず知らずのうちに潜在的にそういうエネルギーが備わっているとしたら?

「未知の力を解明するのが科学」と子ども時代のマーフが言っていたように、人間がまだ解明していない力というのは「想いが重力を伴い相手に届けられること」なのかもしれない。
その力を解明できれば、想い=脳というのは人そのものだから、まさに「宇宙(空間)を愛(という信号)で満たす」ことができると解釈できる。
それは「どこにでもいてどこ(一点)にもとどまらない」存在になるということではないだろうか。

劇中、キリスト教的ワードが随所に出るが、もしかしたら昔「神」と言われた人間たちは、そういった力を理論ではなく「ある」と感じ宇宙の根源を理解していた人たちなのではないだろうか。

人類はブラックホールもワームホールも理論物理学上は解明しつつあるのだろう。
遠い星空の果てに、誰かが目覚めさせてくれるのを待ちながら眠りにつくアメリアと助けに行くクーパーのように、新世界のアダムとイブを夢見るのもいい。

だが、五次元や未知の星の圧倒的空間に気圧されながらも、生命の力を再認識する自分がいた。
渡り鳥の渡りのメカニズム、虫の羽ばたき、そういったマクロの世界に通じる、生命そのものの力はまだまだ未知数なのだから。

地球を捨てるにはまだ早い。
監督にはそういう意図はないかもしれないが、計らずとも私は地球への愛着を強くした映画であった。



〉〉一言メモ

映画を少し好きな人ならすーぐピンとくる、TARSとCASEの外見。
モノリスですね。
クーパーがNASAに捕まったとき、最初何が動いているか判断に時間がかかった人は多いはず。
まさかの板が超合金ロボなみに変形したときも驚きましたが、だんだんあの板に愛着が湧いてくる不思議な仕様。
クーパーの横に横たわる姿がなんともいえなくて。
モノリス・・・もとい、『2001年宇宙の旅』は偉大ですね。

 

2001年宇宙の旅 [Blu-ray]

2001年宇宙の旅 [Blu-ray]

  • 出版社/メーカー: ワーナー・ホーム・ビデオ
  • メディア: Blu-ray

 


nice!(1)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:映画

ドライブ・アングリー [アクション・アドベンチャー]

★満足度50点

ドライブ・アングリー [Blu-ray]

ドライブ・アングリー [Blu-ray]

  • 出版社/メーカー: Happinet(SB)(D)
  • メディア: Blu-ray

タランティーノ風のB級

B級になりきれているようで、目指しているのはA級なのかと疑いたくなる映画
すっかりB級臭が漂うニコラス・ケイジの親友役にデビット・モース
あんな良い俳優使っちゃだめでしょw
でもその彼とヒロインアンジェラ・バードのおかげで少し「みられる」映画になったのも事実。
ウィリアム・フィクナープリズン・ブレイクのFBI捜査官役を彷彿とさせる悪魔の使い手。

彼がくるくる横転するトラックの上で、指揮者のようにふるまうなど、「おっ」と思うかっこよいカットもちらほら。
悪魔崇拝のカルトとやらは70年代の残党か。
広大なアメリカ、あんなコミューンがまだありそうで怖い。

nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:映画

キャプテン・アメリカ ウィンター・ソルジャー [アメリカンコミック]

★満足度85点

■世界一信頼できる男

キャプテンアメリカは、なぜこんなに魅力的なのか。

他のヒーローと比べて、セクシーでもなく女の子に気のきいた事を言うでもなく、大概正論しか吐かず、逃亡中も他人の車を気遣う几帳面な男。
いわば男らしいとは形容しがたい平凡な人物が、アベンジャーズのなかで一番忘れがたいヒーローとして記憶に残るのはなぜか。

それは、信頼できる人間、という一点につきると思う。
彼は理論武装のために正論を言うのではなく、心の底から本音を言ってるだけなのであり、彼の言葉や振る舞いはたびたび他者の難しい感情やこじれた理論を解きほぐしてくれる。

もうひとつ、彼は小賢しい計算抜きに、他人を信じる人なのだ。
非常な肉体的劣等感を強い信念で克服したことも裏付けるように、あの肉体改造は、「他人を信じる」という信念がなければできなかった。

アベンジャーズの中で、一番信用できる人間は?と聞かれたら、迷わすキャプテンアメリカと答えるだろう。

今回の敵は、寝返った味方とか、復讐に燃えた敵という分かりやすい人物が登場するわけではない。
ある思想や信念が、いつのまにか内側から巣食っていくという非常に厄介なものだった。
それは第二次世界大戦の古臭い体制を信奉する残党としてではなく、現体制の組織の限界を打破すべき手段として変化しているのである。
シールドの大いなる内部の崩壊は、誰が何を正しく導くのかが不明瞭になり、組織内の職員が疑心暗鬼になったことが原因でもある。
何か大事な大義名分のために戦っていたはずなのに、いつの間にか味方の裏切りばかり恐れ、諜報活動は互いを監視する密告活動に成り下がってしまう。

そんな組織の虚飾と傲慢を削ぎ落とすと、臭い言い方をすれば、そこに立っているのはキャプテン・アメリカという男なのである。
キャプテン・アメリカがシールドを信じるなら、ニック・フューリーはトップであり続けられるだろう。

シールドという一つの組織を舞台に、ローマ帝国の内部崩壊のような、普遍的な一国の栄枯盛衰を見ているようだった。

アメリカ人は独裁者嫌いが多い。
カエサルがアイアンマンなら、キャプテン・アメリカはアウグスティヌスといったところだろうか。
だからか、(劇中の)アイアンマンへの社会からの風当たりは強いが、キャプテン・アメリカはとても繊細に誰もが愛するヒーローとして好かれているように思う。

傲慢ではなく、かといって優柔不断ではない。
優しいが臆病ではない。
闘争的ではないが人一倍秘めた熱い愛国心を持っている。
おしゃべりではないが、人を結びつける社交性はある。
正論で人を追い込むことはしないが、一番シンプルで正しいことをいう。
失われた人生に物思いにふける陰があるが、アイアンマンのように病んではいない(笑)

そしてブラック・ウィドーにも簡単になびかない(笑)

うーん、やっぱり今のところ私のなかでは一番のヒーローだ。


nice!(1)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:映画