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パージ [クライム・サスペンス・社会派ドラマ]

満足度★55点

パージ [Blu-ray]

パージ [Blu-ray]

  • 出版社/メーカー: NBCユニバーサル・エンターテイメントジャパン
  • メディア: Blu-ray

宣伝以上の内容はほとんどない
今時珍しく1時間半以内に終わる潔い映画。 暴力を容認することで暴力を抑止するという白人至上主義者が喜びそうな考えは、現代社会への警告とも受け取れる。

まかり間違ってもこんな法律は実際には可決されないとは思うが、本当にパージが実現したとして、昨日まで笑って話してた隣人や同僚が人殺しをしている現場を見たりしたら、次の日普通に生活を送れる気がしない。

普段の生活を恨みをかわないようにビクビクして過ごすことにならないだろうか。
それはかりそめの平和、一種の監視社会ですよね。
パージを支持しないことを表明している人は真っ先に標的になってしまうのか、親が殺されたら大量の孤児が生まれやしないのか、旅行者はどうなるのかとか、都市部に近い郊外以外の様子も気になる。
子供が言うことも聞かずウロチョロするたびに苛々した。 【300】に出演のレナ・へディは強い女にぴったりだったけど、イーサン・ホークが出るほどの脚本ではないなぁ。



↓続編はこちら


パージ:アナーキー [Blu-ray]

パージ:アナーキー [Blu-ray]

  • 出版社/メーカー: NBCユニバーサル・エンターテイメントジャパン
  • メディア: Blu-ray


パージ/大統領令 ブルーレイ+DVDセット [Blu-ray]

パージ/大統領令 ブルーレイ+DVDセット [Blu-ray]

  • 出版社/メーカー: NBCユニバーサル・エンターテイメントジャパン
  • メディア: Blu-ray

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デビルズ・ノット [クライム・サスペンス・社会派ドラマ]

満足度★65点

デビルズ・ノット Blu-ray

デビルズ・ノット Blu-ray

  • 出版社/メーカー: KADOKAWA / 角川書店
  • メディア: Blu-ray

■不安と悪意がじわじわと

「スイート・ヒア・アフター」に続き、アトム・エゴヤンの映画は2作目。
未解決事件を扱っているので、勿論事件は解決しないのだが、町全体を覆う不穏な空気、何か起きそうな緊張感がずっと続き、怖い。

殺された子どもの母親役にリース・ウィザースプーン。
最初は起訴された3人が犯人だと盲信していたが、冤罪の可能性を感じて事件を調査する弁護士と話すうちに、いつしか違和感を感じ始める。

誰しも身近な人を疑ったりはしたくない。
若者たちの、分かりやすすぎる反抗的な態度や悪態をつく虚勢をそのまま信じてしまうのは、むしろそうであって欲しいという憎しみの対象として、都合がいい。そして憎しみをぶつける相手として相応しいと思える相手ほど、悲しみは癒える。そういった同調圧力が真実を覆い隠す。

しかし、真実は他にあるのではと、彼女が思い至る時点で映画は終わる。
はっきりいって、すっきりはしない。
だが彼女がまっさらな目で事件に向き合う意志を持ってくれたことに少し救われる。

若者文化への無理解と保守的な信仰心からくる無理解、杜撰な捜査による冤罪がなくなりますようにと願わずにはいられない。


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インフェルノ [クライム・サスペンス・社会派ドラマ]

満足度★70点

インフェルノ映画.jpg


インフェルノ(角川文庫 上中下合本版)

インフェルノ(角川文庫 上中下合本版)

  • 出版社/メーカー: KADOKAWA / 角川書店
  • 発売日: 2016/02/25
  • メディア: Kindle版




■ラストの描きかたで佳作どまりに

原作とは違ったラストが、この映画を凡作で終わらせてしまった。
人口増加を食い止めるため過激な手段を声高に叫ぶ科学者(化学者)、それを食い止めるため奔走する主人公ー。
昨今手あかにまみれた題材を扱いつつも、インフェルノが他の作品と一線を画していたのは、主人公の力及ばず実際にウイルスがばら蒔かれてしまったという、驚きの展開があればこそだった。

しかもそのウイルスは毒性のあるものではなく、ある一定の人間を不妊せしめるために遺伝子を書き換えるというものだった。

主人公たちは、失敗する。
だが、ラングドンと仲間は諦めず、これから何年かかっても解決すると意志を強く持つ。
この事態にも屈せずに立ち向かい続ける人間がいる限り未来は決して暗くはないという、いわば作者からのエール、そして人間讃歌へと物語は昇華していたのだった。

今回はダンテ自体の謎解きではなく、ダンテを敬愛する科学者が、ダンテにまつわる美術品を暗号の道具として利用しただけにすぎず、はっきりいってシリーズ一、個人的には知的好奇心が満たされないものだった。

それでも【
ロスト・シンボル (上) (角川文庫)

】がすっ飛ばされてインフェルノが映像化されたのは、スピード感のある追跡と逃亡、ダンテの描く地獄に現代社会が近づいているのではという、強烈なイメージを植えつけるものだったからだと思う。

だからこそ、即死に至らせるウイルスではなく不妊という緩慢的な死に向かうウイルスは、実は種の保存の観点からは正しい道なのかもしれないと読者に思わせる説得力さえもあった。

何の影響を恐れたのかわからないが、製作サイドでも様々な意見があったのでは?と推測する。
しかしこのラストなくしてインフェルノの本当の魅力は伝えられないと思うと、非常に残念。

付け加えておくと、ラングドンを襲う地獄のイメージは本当におぞましく、ペスト予防の仮面を着けた黒衣の医師、逆さにされた罪人ら、それらの映像化は鮮烈。
そして各国のロケも一見の価値あり。西洋の巨大な建築群、美術品にはまだまだ神秘めいたものがあり、見ていて心踊る。見て損はしません。
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大統領の陰謀 [クライム・サスペンス・社会派ドラマ]

満足度★70点 

大統領の陰謀 [Blu-ray]

大統領の陰謀 [Blu-ray]

  • 出版社/メーカー: ワーナー・ホーム・ビデオ
  • メディア: Blu-ray









■記者の執念

世にも有名なウォーターゲート事件、陰謀をあぶり出した2人の記者の物語。
今年は「スポットライト」に続き、おそるべき執念で権力に楯突き、くらいついていく記者たちの良質な映画を見た。

題材が神父の性暴力だったこともあり、スポットライトの方が記者の正義感がより強く出ていた気はする。

見逃してしまいそうな些細なことがらから推理を働かせ、その裏にひそむ陰謀にたどり着くそのさまは、警察官や刑事と似ている気もする。
ただ、刑事の方ははっきりとした終着点があるので肩の荷も下りようが、記者の方はよしんば記事を書き上げたとしてもその記事が世に出ない可能性もあり、また、出たとしても世論という曖昧模糊としたもので反応を感じるしかないので、自己満足の落としどころが難しい。よく心折れず自分等を信じ続けられたと思う。

しかし、情報源である人物「ディープスロート」はいかにも怪しい(笑)
一般人にとっては、「ある関係者筋」など書かれると、週刊紙のようでいかにも胡散臭いと感じてしまう。
でも情報源の命の危うさ・社会性制裁が加えられる可能性を考えると、しょうがないのだよな…報道の葛藤、難しさを感じる。書いた二人よりも、主幹が大きな決断をしたなぁと感心した。

ウォーターゲート事件とニクソン退任までの世論は一過性の物であって、それが国内外の諜報合戦の抑止にはならなかったかもしれない。
しかし政府にとっては「以前から当たり前に行われていた必要悪」を、当たり前だと思ってはいけないという倫理観を、民衆には植え付けたのかもしれない。


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帰ってきたヒトラー [クライム・サスペンス・社会派ドラマ]

満足度★85点

ヒトラー.jpg

■(笑)のなかにヒヤリハット

http://gaga.ne.jp/hitlerisback/

ヒトラー風刺映画では最高の出来。
タイムスリップしてきたヒトラーがコメディアンと勘違いされたまま、ドイツ行脚するというセミ・ドキュメンタリーや、劇中劇も取り入れつつ、大笑いさせて最後はぞくっとさせる。ヒトラーの存在が悪いのではなく、ヒトラーを欲した国民が悪いと自戒しつつ、じゃああんたの国は大丈夫か?と問いかける。

とにかく、ヒトラーで使えるアイデアをてんこ盛りに盛り込んだ。
テレビで有名になるだけかと思いきや、その前にロードムービーを取り入れるとはおもわなんだ。
ヒトラーになりきる変な男との旅は、思いの外楽しく充実して、彼を拾ったテレビマンも観客も気持ちが歩み寄ってしまいそうなところ、噛みついてきた犬に「ズドン」で目が覚める。
いやいや、やっぱりこいつはヒトラーだったと。

セミ・ドキュメンタリーで垣間見えたのは、ヒトラーはまるでアイドルかのように人気者で、国民は移民問題に憤り、あのときのように強い指導者を求めているということ。

そしてこういう混沌とした情勢に、ヒトラーは生まれやすいということ。

本物のヒトラーと見破ったのにも関わらず、頭がおかしいと精神病院に入れられてしまう男のように、少数派の意見は黙殺されてしまう。

テレビで人気者になり、犬の射殺映像で人気が急低下したあと、この話の顛末をどう落とし前つけるのかと思っていたら、自伝(他人にとってはフイクション)を書いてベストセラーになるという映画的に完璧な落ちまでつけて、ヒトラーの独白でショーに幕を降ろす。

ヒトラーに対する世界の思いは複雑だ。反ユダヤ主義のスケープゴートになったとも、悪しき先導者とも。
全員の中にヒトラーはいる、という劇中の台詞が心に刺さった。きっと、それが真実に一番近いだろうから。


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オオカミは嘘をつく [クライム・サスペンス・社会派ドラマ]

満足度★65点


オオカミは嘘をつく [DVD]

オオカミは嘘をつく [DVD]

  • 出版社/メーカー: アルバトロス
  • メディア: DVD

 

■オオカミはオオカミだった

イスラエル版タランティーノ…っぽくしたいのかもしれないが、話にはそれほど捻りもなく。

冒頭のスローモーションのかくれんぼ、不穏さを醸し出すかっこいい音楽から傑作になる予感と期待を持ったけれど、さにあらず。登場人物の属性があまりにどストレート

大体、容疑者、刑事、被害者の父親の三人しか出てこないわけだから、消去法でいくと真犯人は容疑者に決まってしまう。
あるとしたら刑事で、自白を強要して潔白の人間に自分の罪を被せようとしているという線も考えられなくもないけれど、其れを匂わせるような伏線も演出もなし。

容疑者が拷問に耐える様子に、本当に犯人ではないのかな?とチラと思うこともあったが、まあそれだけ。

なぜ容疑者が容疑者とされたのか、なぜ刑事や被害者の父親は犯人だと確信してるのか、その根拠が明示されていないので、ただ単に我慢のしくらべっこに終始してしまっている。誰しもが狼の可能性がある…というような、人間の業を描くこともなく、狼は狼だったのね、で終わりました。

むしろ被害者の父親のサイコパスぶりや常軌を逸した行動がおもしろい。
拷問途中でもケーキ仕上がりを気にしたり、家族からの電話に何事もなく出てしまったり。
更に彼の父親が登場したときは、拷問吏が二人になって(笑)、容疑者には同情を覚えた。

拷問のなかのユーモア、そういった緩急で展開の先が読めない面白さはあるにはあった。
音楽の使い方もかっこいい。
イスラエル人によるアラブ人への偏見なども折り込みピリリとした悪意に満ち、クライムサスペンス好きな人を引き込むエッセンスはあるとは思う。

関係ないが、被害者の少女達の頭部も見つけられず、刑事の娘の死体も見つけられず、暴力を振るうしか能のない警察官。世界中こんな奴ばっかりだったら嫌だなぁ。


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シン・シティ 復讐の女神 [クライム・サスペンス・社会派ドラマ]

満足度★75点


シン・シティ 復讐の女神 コレクターズ・エディション [Blu-ray]

シン・シティ 復讐の女神 コレクターズ・エディション [Blu-ray]

  • 出版社/メーカー: Happinet(SB)(D)
  • メディア: Blu-ray



■生きるよすがを求め、夜を彷徨う

フィルム・ノワール、古き良きハードボイルドの情感たっぷりでありながら、一つ一つのコマからコミック世界が飛び出してきた感覚も同時に味わえ、両方好きな者にとってはたまらなく贅沢な作品。

これぞハードボイルドという、「か弱き女、情に弱い女、権力にあらがう男、惚れた女を忘れられない男、権力の権化」などなど、およそ考え得るキャラクター達がこれでもかと登場する。

特筆すべきはファム・ファタールのエヴァ・グリーン(役名もエヴァ)。
最近【
300 〈スリーハンドレッド〉 ~帝国の進撃~ [DVD]

】を観たばかりだが、ここでも惜しみなくその裸体を露わにする。を惑わす説得力たっぷりの見事なプロポーション。フランク・ミラーのお気に入りか。

キャストの変更があったのが少し悲しい。

殺人兵器ミホはデヴォン青木からジェイミー・チャンへ、ロアーク郷はルトガー・ハウアーからパワーズ・ブースへ、ドワイトはクライブ・オーウェンからジョシュ・ブローリンへ。
特にデヴォン青木の幼くツンと挑発するような面立ちがミホにぴったりだったが、今回のミホは美人すぎる(笑)。

またドワイトの変更により、前作のドワイト自体を思い出すのに時間がかかった。
クライヴ・オーウェンが左右に女を従えた仁王立ちのカットがあまりにかっこうよかったから。
とはいえジョシュ・ブローリンもすこぶるいい。
彼の持つ無骨さが、心の底では優しさをもつ男にぴったりで、キスをされながら拳銃をぶっ放すシーンはもうね、観てて切ないやらほっとしたやら。

ジョニー演じたジョゼフ・ゴードン=レヴィットもいい。マーヴやドワイトがグレーなら、根っからの悪では無いピカピカの白。私怨ではあるのだが、真っ向から権力に立ち向かう男気を見せた。前作のハーディガンの代わりか。
ナンシー演じるジェシカ・アルバの、ストリッパーをやろうが飲んだくれようが、何をしていても穢されていない雰囲気を醸し出せるのも、個性でしょうね。いい配役です。

また、前作よりも暴力描写が直接的ではなく洗練された印象を受けた。
血しぶきをシルエットにしたり、首切りのシーンを瞬間的に暗転したり。

他にもエヴァの目が妖しく光ったり、サングラスに光が反射したり、コミックらしい表現がハードボイルドに直結して。
邦画のよくある漫画の映画化も、これくらい色々細工してほしいですね。一コマ一コマ本当に目が離せない。

ああ、でもやっぱりこれは愛の映画で、「もう騙されるな」と言い聞かせているのに騙されちゃうドワイトや、自分に振り向いてくれないドワイトを見捨てきれないゲイルや、昔の男に似ているから…といってチップをジョニーに渡すウエイトレス、ハーディガンの代わりにナンシーを見守るマーヴなど、みんな心に傷を負い、誰かを今でも思っていて、この町で生きるよすがを探しながら彷徨っている。
幽霊となったハーディガンがロアークの鏡に映り込んでナンシーを助けるシーンは最高のエンディング。

とにかくかっこいいに尽きる映画。

 


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半身 [クライム・サスペンス・社会派ドラマ]

★満足度65点


半身 (創元推理文庫)

半身 (創元推理文庫)





AFFINITY

AFFINITY

  • 出版社/メーカー: Bfs Entertainment
  • 発売日: 2013
  • メディア: DVD



「このミス」で賞をとったその年に原作を読んだ。
蓋を開けてみれば「女囚とその仲間がグルで、金持ちを騙していた」ってだけなのですが、この作品は降霊術が流行っていた時代にレズビアン要素を絡めたところが面白いんですよね。

本では自称霊媒師のセリーナのマーガレットへの思いが冷徹で、少し救いのない印象だったように思います(もう記憶が曖昧ですが)。画ではセリーナの表情に後悔の念が感じられて、悲恋の話に多少昇華していたかなと。

ただ、顔への段階的なズームアップなど映画の手法がいささか古くさく感じられた部分もあり、制作費の兼ね合いなのか登場する場所も数箇所しか使わず、連続ドラマ程度の内容だと感じた。

頑なに婚約を拒む貴婦人が、ある女囚と会うことで自分のなかの性に向き合い、人生をかけることにする。
霊媒師で女囚という相手への、信じたいけど信じ切れない揺らぐ気持ち、駆け落ちに至るまでの心理描写がスリリング。
一種のどんでん返しものです。

 


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SHERLOCK シャーロック 忌まわしき花嫁 [クライム・サスペンス・社会派ドラマ]

★満足度50点

■どちらが夢か?

時系列では前回のドラマ最終回からの続き。
飛行機に乗せられて降ろされるまでのわずかな時間に、シャーロックが「記憶の迷宮」に入り込む…という設定。
薬を使ってぶっ飛んでる間に、ビクトリア時代のロンドンで活躍している自分達を体験しているのだが、そのビクトリア時代でもシャーロックは薬で瞑想して現代に意識が飛ぶという設定なので、「どちらが夢で現実なのか?」という古典的SFの手法をとり、「カンバーバッチ版のシャーロックが原作に忠実な時代にいたら?」という観客の夢をうまい具合に実現化しているのである。

ま、いわゆるコスプレですね。ファンの欲求を満たしてくれます。

マイクロフトデブだったり、秘密クラブでの手話のやり取りや、大家さんとの丁々発止のやり取りなどお馴染みの光景が楽しませてくれます。
花嫁~自体の種明かしは大したことないので、確実に、ドラマファンじゃないとつまらないでしょうねえ。
ま、そもそもが正月特番のスペシャルドラマを、日本では劇場公開しただけですからね。
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裏切りのサーカス [クライム・サスペンス・社会派ドラマ]

■渋いを通り越して、枯れに枯れた世界

裏切りのサーカス スペシャル・プライス [Blu-ray]

裏切りのサーカス スペシャル・プライス [Blu-ray]

  • 出版社/メーカー: Happinet(SB)(D)
  • メディア: Blu-ray


いやー、久しぶりに渋すぎる映画でした。
ジョン・ル・カレ
原作読んでおいた方が、きっとよかったのでしょう。
わかりづらいのなんのって(笑)
初めて登場する人物の顔がよく見えない、室内が暗い。
抑揚のない演出により、危険が迫っているのか話の核心を描いているのかが掴みづらい
主人公含め、表情から感情が読み取れない。
これは、あえての演出だと思うので、この手法により、つまらなかったというつもりはない。

観客を喜ばせるドンパチがスパイものというお約束を一才排除して、冷戦下のスパイ合戦に疲弊しきった灰色の世界。
国や信念という大きなものを背負っているようには到底みえない、怠惰に倦んだような組織。
その姿は一般のサラリーマンにしかみえない。
かつては血肉に注ぎ込む情熱があったのだろうが、抑えた権力欲しか垣間見えない幹部たち。
MI6をサーカスとは、よくいったものだ。

このMI6内部に二重スパイ・隠喩名「もぐら」がいて、その正体を突き止めるというのが本編の主文。
サーカスのリーダーである「コントロール」は「もぐら」に関する情報源と接触するため、ジム・プリドーをハンガリーに送り込むも作戦は失敗。責任をとってコントロールと彼の右腕であった ジョージスマイリーは引退を余儀なくされる。

で、このスマイリーがコントロールの死後、組織に乞われてもぐら探しの任を請け負うのだが、実は彼もコントロールから疑われていたことがわかる。

コントロールは幹部たちに渾名をつけていたのだが、なんとスマイリーには【こじき】。
いくらなんだって…こりゃ酷い渾名だ。
それを見たときのなんとも言えない彼の表情が憐れみを誘う。
さらに淡々と進む推理作業のなかで、差し込まれるスマイリーの孤独な生活が重い。

もぐら発見の相棒にするのは若手のピーター・ギラム。
これをカンバーヴァッチが本当に若々しく演じる。
こいつはどうみても裏切ったりしないだろう、と端からみても微笑ましいくらい、イキイキと仕事をする。
なんとなくホッとする存在。

この枯れっかれの無口なスマイリーの描写は凄く好きなのだが・・・。
もう細かな描写と色々な伏線を匂わす意味深な会話を解きほぐすのは諦め、話の肝の[もぐら]の正体を楽しみにしていたら、すごくあっさりと曝されてしまって拍子抜け。

クライマックスの前でさえ、この演出。
でもまあ、余韻のなかで振り返ってみれば、コントロールはそもそも「もぐら」に「仕立て屋」と渾名をつけていたので、おおよその目星はつけていたのかもしれない、などと思う。
だからこそ引退後しているのにわざわざ消されたのかもしれないし、もぐら叩きの栄誉を持って長年二番に甘んじていたスマイリーの手に権力を…という一種の情けがあったのかもしれない…とは深読みか。

しかし最後の最後にニヤリと笑ったスマイリーの表情をみると、あの柔和で慎重な顔の裏に、長年封印された眠れる貪欲さがあるのではと邪推してしまう。渾名は「愛を乞う人」以上の意味があったのかも知れない、などと思ってしまうじゃないか。

個人的にはもぐらとプリトーの関係が気に入りましたね。
ハンガリーで怪我をして、今は小学校でひっそり働く諜報員プリトーが、折角スマイリーが捕らえたもぐらを殺してしまう。
実はもぐらとゲイの関係を匂わせるほど親密な関係を持っていたプリトー。
彼はもぐらの正体を知っていて秘密にしてきたが、せめて自分の手で引導を渡しに来た・・・かのように見える。
愛しさない交ぜのまさぐりあう視線と、もぐらの諦観した表情。うーん。

また、小学校先で、いじめられっ子の少年に諜報員の素質を見いだして、それとなく指南するシーンもスパイの末路としては相当枯れてるなぁ…としみじみしてしまった。

スパイものというより人間ドラマを見た気分。
スマイリーのもぐらに迫る推理の手腕や、小道具に隠された暗示を読み解くには、こりゃー二回鑑賞どころじゃすまされないね。


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