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PAN 〜ネバーランド、夢のはじまり〜 [ファンタジー]

満足度★55点

PAN~ネバーランド、夢のはじまり~ ブルーレイ&DVDセット(初回仕様/2枚組/デジタルコピー付) [Blu-ray]

PAN~ネバーランド、夢のはじまり~ ブルーレイ&DVDセット(初回仕様/2枚組/デジタルコピー付) [Blu-ray]

  • 出版社/メーカー: ワーナー・ブラザース・ホームエンターテイメント
  • メディア: Blu-ray

■壮大すぎて空想の余地がない

ヒュー・ジャックマン、ルーニー・マーラの存在感がなければ-30点ほど差し引きたいところ。

ピーターパンがどうやってピーターパンになったかの物語。
世界大戦中、教会の孤児院に収容されていたピーター。
働くシスターたちは強欲で意地悪で、食べ物もろくに与えられない。
反抗心あふれるピーターたち、ある夜突然、空からやってきた海賊たちに孤児達はさらわれて、ネバーランドで働かされる。
そこではのちに永遠のライバルとなるフック船長も奴隷扱いされている。
フックと手を組み、ネバーランドを牛耳っている黒ひげをやっつけるというお話。

確かに構成される画(え)はファンタジーなんだけど、なんていうのかなー一つ一つのアクションが大きすぎ。
何でもドカンドカンやればいいってもんじゃない。

空想の世界はひっそりとしているのに無限で、知られざる存在で繊細であって欲しい。
子どもをさらって海賊船が大胆に空を飛び、実世界の砲弾をかわして宇宙の果てに行ってしまうと、描きすぎって思ってしまう。まだナルニアのように異世界の扉は小さい方が好ましい。

ピーターパンは妖精と人間の間にできた子だった。
だが、自分の力を信じられず、ほぼ最後まで皆に期待されるものの活躍はしない。
結局自分に自信を持って、という話。
ピーターパンとなって自分と同じような境遇の子を助けに来るのはいいと思う。

余談だが、奴隷達が使役されるときや、ピーターが処刑台に立たされるときなど、途中ちょいちょいさし込まれるミュージカルのような挿入歌が不世出のロックバンド【ニルヴァーナ】の『Smells Like TeenSpirit』だったり【ラモーンズ】だったりと何故かロック名盤が多くて、そこだけ楽しめた。
はてさて、年代的にはもちろん子どもに全く刺さらない曲達だが、一体どれほどの人が気がついたのか。

Nevermind (Remastered)

Nevermind (Remastered)

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: Geffen Records
  • 発売日: 2011/09/27
  • メディア: CD

ラモーンズの激情【40th アニヴァーサリー・エディション】

ラモーンズの激情【40th アニヴァーサリー・エディション】

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: ワーナーミュージック・ジャパン
  • 発売日: 2016/10/05
  • メディア: CD

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【シンデレラ】と【イントゥ・ザ・ウッズ】、童話の実写化見比べて [ファンタジー]

■シンデレラ

満足度★55点

シンデレラ MovieNEX [ブルーレイ+DVD+デジタルコピー(クラウド対応)+MovieNEXワールド] [Blu-ray]

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  • 出版社/メーカー: ウォルト・ディズニー・ジャパン株式会社
  • メディア: Blu-ray

初版の残虐さを無くした一般的な絵本『シンデレラ』の話を、そのままなぞっていて、目新しさは全くない。
冒頭の子どもの頃の幸せだった記憶が、哀しみの中エマを支えてきたというところだけ独自の脚色か。
ただ絵本と違って、成長したエマは自立心と好奇心が強く、動物に対してもただただ優しいと言うより確固たるポリシーが感じられる

そしてこんな映画に役不足な継母役のケイト・ブランシェット
なぜエマを執拗にいじめるのか?それに対しての答えが老いへの恐れ…という陳腐な理由を、説得力のある演技で見せる。はっきりいって、エマより美しいから大丈夫だよとつっこみたくなる。
自然の美しさを持つエマとゴージャスで迫力のある美貌を持つ継母、この二人の美の対比は面白い。

あとは絵本が動く!動いた!という美しさへの感動あるのみ。子どもの時に空想して胸をときめかせた「お姫様」と「魔法」を思った通りに映像化してくれた、それだけですね。
ただ最近のアメリカ映画はやすやすとその辺はクリアしてくるので、ありがたみも薄く…

とりあえずカボチャの馬車の変身シーンは二回見ました。


■イントゥ・ザ・ウッズ

満足度★60点



イントゥ・ザ・ウッズ MovieNEX [ブルーレイ+DVD+デジタルコピー(クラウド対応)+MovieNEXワールド] [Blu-ray]

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  • 出版社/メーカー: ウォルト・ディズニー・ジャパン株式会社
  • メディア: Blu-ray



打って変わってこちらは皮肉たっぷりの大人の寓話。
「シンデレラ+赤ずきん+ジャックと豆の木+ラプンツェル」という童話を、うま~くミックス。

主軸となるパン屋の夫婦。「子どもができない」という二人にかけられた呪いは、主人の父親が魔女の庭から野菜(ジャックの豆の木で有名な魔法の豆)を盗んだからだった。

その呪いを解いてやるといい、魔女は4つの物を二人に集めさせる。
それらが上記の童話の主人公達にまつわる物なのだが、それは魔女自身にかけられた呪いを解くためのアイテムでもあった彼女も「畑から野菜を盗まれた罪」によって、自分の母に呪いをかけられていたのだ。

パン屋の父が豆を盗む→娘を魔女に誘拐される→娘はラプンツェルと名付けられ幽閉→息子は何も知らず成長→魔女から呪いをかけられていることを知る→アイテムを取りに→その頃各々の目的を持って、シンデレラ、赤ずきん、ジャックが森を通りかかる。→赤ずきんの「赤いずきん」、ジャックの「白い雌牛」、シンデレラの「黄金の靴」。それらがパン屋が集めるものだった→赤ずきんのおばあさんを助け、逃げるシンデレラの靴を追い、ジャックに「魔法の豆」を渡すパン屋の二人。

さすが元はブロードウェイの脚本、四つの話をうまくつなぎ合わせていると感心した。
ちなみにラプンツェルの王子とシンデレラの王子は兄弟という設定に。

一人の他愛ない行いによって、多数の人間が不幸に陥る負の連鎖。
互いの疑心暗鬼と不信から起こる、ジャックの巨人殺人事件。怒った巨人の妻がジャックを探しに人間界で大暴れするのだが、そこでやっと皆の心が一つになる。

魔女自身が呪いをかけられていた被害者だということ、彼女は罰として誘拐したラプンツェルを彼女なりに愛していたこと
から、単純な悪役ではなく多面性がありすこし同情を引いた。

ジャックは母親を亡くし、赤ずきんもおばあさんを亡くし、シンデレラは偽りの愛から逃げ、パン屋の女房は浮気の罪からか巨人に殺された。
魔女は自暴自棄になって自ら呪われた。
皆何か罰せられているが、赤ん坊当初から被害者で落ち度のないラプンツェルだけがお伽話どおり真実の愛を見つけた(と思いたい)。

なんだかんだ何が言いたかったのかとも思うが、結局は夢ばかり見て他力本願じゃだめってことなのかなと。
皆が力を合わせて、残されたパン屋の赤ちゃんと村(国?)を再建していくのだろうと一縷の希望をみせて物語は終わる。

個人的にシンデレラの継母や血のつながらない姉たちが、グリムの初版どおりに「足を切ってまでガラスの靴に押し込めた」描写が好き。彼女らのゴシック風パンクっぽい衣装も好きだ。
画全体を覆う「不気味さ」もグリム童話のえぐさや不穏さを醸し出していて好みです。

しかし一旦お披露目までしてその実すぐに浮気してしまう王子さまよりも、王子の正体見たりとすでに森に逃げ込んでいるシンデレラ、ちょっと気が早すぎない?
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ザ・ヘラクレス [ファンタジー]

満足度★60点
 
ザ・ヘラクレス [Blu-ray]

ザ・ヘラクレス [Blu-ray]

  • 出版社/メーカー: ワーナー・ブラザース・ホームエンターテイメント
  • メディア: Blu-ray

懲りずに神話物に期待する私。今回も空振りでした。
レニー・ハーリンが適当にやっつけで作った感じ。
ヘラクレスから神がかったパワーをそぎ落とし、父ゼウスを信じ切れない等身大の人間を描こうとしたら、安っぽい恋愛話をひたすら引き延ばしただけの映画になってしまった。

ヘラクレスの12の偉業の中で描かれたのはたった1つだけ、とってつけたようなライオンとの格闘のみとは寂しい限り。

半身半馬のケイローンも人間だったし、神がかったパワーを発揮したのもラストだけ。
架空のファンタジードラマゲーム・オブ・スローン」のように大成功なのに、何千年も言い伝えられてきた神話は等身大として描こうとする。
なんだか勿体ないなぁ。
だったら異母兄弟に追放された後、12の偉業を仲間と攻略しつつ自分の国を目指すというようにアレンジしても良かったのでは。

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マレフィセント [ファンタジー]

■真実の愛を新解釈した秀逸メルヘン


マレフィセント MovieNEX [ブルーレイ+DVD+デジタルコピー(クラウド対応)+MovieNEXワールド] [Blu-ray]

マレフィセント MovieNEX [ブルーレイ+DVD+デジタルコピー(クラウド対応)+MovieNEXワールド] [Blu-ray]

  • 出版社/メーカー: ウォルト・ディズニー・ジャパン株式会社
  • メディア: Blu-ray

 

「眠りの森の美女」をベースに独自の展開をみせるファンタジー
アンジーのドはまり役としても話題になった。

白雪姫、シンデレラしかり、出会って者の数分で恋に落ちる王子様。
夢見るにはあまりにも現代はせちがらすぎて、そんなメルヘンには到底浸れない。

最近のアメコミでも、バットマンやハルクなど心に闇を抱えたダークヒーローの方が、息が長い人気。
高校生のスパイディだって、グウエンを亡くすなど心に深い傷を残す。

その流れを汲んでか、アナ雪、マレフィセントなど、今まで単純に「悪」として扱われてきたヴィランに理由付けがなされるようになった。
彼らもきっと、普通の人間と同じように傷つき、妬み、何か深い理由があって人を襲うようになったはず。
善と悪というシンプルな世界も時には必要だが、人間性を持たせたドラマはメルヘンに深みを与える。
マレフィセントも一度は真実の愛を交わしたと思った人間に裏切られ、妖精としてこれ以上のない屈辱を受ける。

結果として男の一番大事なものを奪うという復讐に酔いしれ、憎い本人ではなく無垢な子供を傷付けることになっしまう。
罪悪感を感じたマレフィセントは、呪いをかけた子供を自分自身で面倒をはめになる。
その時のアンジーの演技がいじましい。
秀逸なのは、呪いを解こうとしたマレフィセントが、自分の呪いに阻まれること。
これは「覆水盆に帰らず」ではないが、やってしまったことは取り返しがつかないこと、そして人の強い恨みは本人が忘れても周りに影響を与え続けると、改めて思う。
人を傷付けることや復讐することは自分も不幸にする。子供が見てもわかりやすい。

そして男女の愛より母子の愛。
新しいメルヘンの解釈は新鮮で、面白かった。


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パディントン [ファンタジー]

★満足度70点

■完璧な王道

Paddington パディントン 実写映画 ベン・ウィショー(声) PAL-UK盤

Paddington パディントン 実写映画 ベン・ウィショー(声) PAL-UK盤

  • 出版社/メーカー:
  • 発売日: 2015
  • メディア: DVD

パディントン (ムビチケオンライン券)

パディントン (ムビチケオンライン券)

  • 出版社/メーカー: ムビチケ
  • メディア: Video Game

あまりにもこの名作を追い越して沢山のパターン化された動物ものが作られてしまったせいか、新鮮さが感じられなかったのは残念。

どこかで見たような話だし、パディントンが巻き起こす騒動も展開が読める。
異種同士の友情も、ありきたりと言えばありきたり。

でも、動物もののファンタジー映画をどれか一つだけ見ればいい、として推すならばこのパディントン。
なんといっても欠点がないのだ。

秀逸なのは喋る熊が現れる導入部分。
何しろ絵本ではなく実写なのだ。テッドのように存在が破天荒であるならばまだしも、一応普通の熊が普通の都会ロンドンに現れるのだ。

でも劇中のロンドンでは「ちょっと」珍しいだけ。
遭遇するブラウン一家も「熊がいる!」ではなく「変なやつがいる」という対応で、存在をすんなり受け入れている。
現実のようで現実ではない、その描き方がとっても上手。

ミニチュアの列車が回想シーンの導入になったり、ブラウン一家の壁の絵の木々が心情に合わせて満開になったり散ったりするなど、絵本の持つ優しさや空想を上手に使っている。

人間社会からつま弾きされた父を持つという、少し同情の余地がある敵キャラもいい。
誰も死んだり暴力的なシーンがないのも、最近子供向けといいつつそうではない映画も多いなか、珍しく非の打ち所がないなと感心。
パディントンはドジッコだけど、映画は優等生です。
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 [ファンタジー]

★満足度65点

夢 [DVD]

夢 [DVD]

  • 出版社/メーカー: ワーナー・ホーム・ビデオ
  • メディア: DVD



映画だが舞台を見ているような構成の緻密さは毎回新鮮な驚き。
しかしいかんせん、話の内容があまりおもしろくない。
オムニバズの後半になると、原発などの重たいテーマになって、放射性物質に色がついていたら、という設定で追い詰められた人々を描く。
放射性物質は色がないから恐ろしいという、3.11を経験した日本人にとっては今更になって痛感する出来事。
自然が荒廃し、食べるものが無く人肉を喰らうはめになるというシーンは、「ワールド・ウォー・Z」(原作)を思い出させた。
(あちらは未知のウイルスでゾンビ化した人間があふれてしまうというものだが、人肉を食べざるを得ないシーンがある)
まさに天罰というやつ。超巨大なインフラに個々が頼り切りの場合、一人では何もできない有象無象が跋扈する。

また、「水車のある村」では」対照的な自給自足の田舎の幻想的な風景を描くことにより、自らの原発反対姿勢を世間に訴えている。
黒沢がシナリオにのせるからこそ含蓄のある台詞となるのだろう。

「男はつらいよ」時期よりも少しふっくらしたような、笠智衆が良い味を出している。


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ジャックと天空の巨人 [ファンタジー]

★満足度75点 

ジャックと天空の巨人 [Blu-ray]

ジャックと天空の巨人 [Blu-ray]

  • 出版社/メーカー: ワーナー・ホーム・ビデオ
  • メディア: Blu-ray

■巨人が襲って来る様はあの漫画を彷彿とさせる

お伽噺と侮るなかれ。
勝手にディズニーと思い高をくくっていたら、なんとなくダークな色調とか、巨人の気持ち悪さとか単純なお子様向けではない雰囲気が漂っているなと思ったら監督がブライアン・シンガーだった!なるほどねー。

有名なおとぎ話がお伽噺として語り継がれる架空の中世が舞台。
ベースは「ジャックと豆の木」と「巨人退治のジャック」という二つの民話。
この映画で語り継がれている「豆の木」伝説では、天空の巨人はかつて地上にいたが、人間との争いにおいて人間の味を知ってしまい食い殺していったため、かつての王国は苦しめられていた。
絶滅を憂えた王が魔法使いに命じて、巨人を従えさせることのできる力を王冠にこめさせ、それを身につけた王は無事、巨人を天界へ封じ込めることができる。
それから地上と天界を結ぶ「豆」と「王冠」は王の墓と共に葬られたが、悪い奴はどの時代でもいるもんで、現代の王の側近が豆の在り処を暴き世界征服を目論むという、いわば「ジャックと豆の木」の後日譚の仕上がりになっている。

王冠はまるで『指輪物語』のスーパーアイテムのようだし、しがない農夫である主人公ジャックとイザベラ姫の身分違いの恋物語もよくある展開。
というように、予定調和の安心感もあるが、すぐにシリアスに転じそうな不穏な空気がずっと漂う。
特に地上に降りてしまった巨人が群れをなして襲ってくるときは恐怖。
草原をひた走る馬、地鳴りと共に迫りくる手、頭から喰われる人間。まるで【進撃の巨人】のようだよw。
進撃の巨人は日本での実写化が決定したが、このジャックに劣るようでは目も当てられないな。

ユアン・マクレガーが姫を守る騎兵隊の隊長役で出演。
悪の側近と対峙して危機一髪、「俺は主人公になれなくても、生き延びる!」というセリフはSWシリーズのオビ・ワンを意識したお遊びだと思う、絶対。
裏の主人公ともいうべき巨人達は、トロール、ティターンにお馴染みの「汚い・野蛮・単細胞」という3拍子が揃っているが、王国には様々な彫刻があるし、料理に様々な調味料加えたりと少し文化的な側面も見せる。
(料理シーンの豚の丸焼きが個人的にツボ)
「人間が食べたい」という彼らの欲求を描写を残酷ギリギリのところで上手くまとめている。
 子供向けを逸脱していないけれど、大人も充分ハラハラできる作品。


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ヒューゴの不思議な発明 [ファンタジー]

★満足度70点

ヒューゴの不思議な発明 3Dスーパーセット(3枚組) [Blu-ray]

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  • 出版社/メーカー: パラマウント ホーム エンタテインメント ジャパン
  • メディア: Blu-ray
●原体験の感傷に浸る

メリエス自身の伝記映画とせず、ヒューゴという少年の目を通して傷ついた老人として登場させたことに、この映画の成功はあると思う。

ただ、物語がどこへたどり着くのか中々判然としないので、この映画が真の主役はメリエスなのだという予備知識がない人にとって、前半はちょっと退屈するのではないか。
もちろん、彼のことを知らなくても十分楽しめるが。

百年前のパリの風景は、現実味を表現することを避け、あえて幻想的なエフェクトをかけて、メリエスの映画と同じように夢の中のような浮遊感を漂わせている。
そこで暮らす人々の恋愛模様や、美味しそうな焼きたてのパン、日々の疲れを癒やす楽団、毎日仕入れられる花々の描写は見ているだけでウキウキする。

駅の壁の中から誰とも接することなく外界を観察しているヒューゴと、あまり流行らないおもちゃ屋の中から移りゆく駅の喧騒を眺めているメリエスは、どこか似ている。
未来の展望が見えない少年と、過去に囚われている老人。
二人は見えない時の流れをつないでいるタイムトラベラーのようでもある。

そして、劇中のヒューゴは映画ファンそのものであり、【月世界旅行】幻のカラー版を何年もかけて修復したスタッフ達なのだ。
「人間に与えらられた役割」。
その台詞には、一大産業と化した映画業界の中で、「あの時の純粋さ」を思い出したい、という作り手の想いが溢れている気もする。

美しい童話のようなメリエスの芸術作品は「夢を与える」という言葉にふさわしい。
初めて見る興奮、知らない世界や冒険。
子供の時に出会ったいい映画は、永いこと心に留まり、まっすぐなエネルギーを与えてくれる。
これはその一本にしてもいいかもしれませんね。

月世界旅行&メリエスの素晴らしき映画魔術 Blu-ray

月世界旅行&メリエスの素晴らしき映画魔術 Blu-ray

  • 出版社/メーカー: 紀伊國屋書店
  • メディア: Blu-ray

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タイタンの逆襲 [ファンタジー]

★満足度50点

タイタンの逆襲 Blu-ray & DVDセット(初回限定生産)

タイタンの逆襲 Blu-ray & DVDセット(初回限定生産)

  • 出版社/メーカー: ワーナー・ホーム・ビデオ
  • メディア: Blu-ray


■娯楽に徹すればいいのに

壮大な内輪揉めはギリシャ神話の得意とするところだが、それにしても登場人物が少なすぎてショボい。
人間が祈らないため、神々がどんどん減ってきて…残りはゼウス、ハデス、アレスだけ?

それでクロノスを復活させる意味がどこにあるのだろう。
ヘパイストスも全く神としての威厳がないし、ラビリンスの化物はミノタウロスとしても唐突感ありありだし、事の発端のハデスは結局ゼウスを許してしまうし。

うーん。
ギリシャ神話に疎い人はなぜアレスがあんなにゼウスを憎んだかわからない。
それだったらティタンノマキアーを下敷きに、オリュンポス一の厄介者アレス一人の反乱(もしくは浮気相手アフロディテも一緒に)という創作にして、アレスがクロノスを復活させ、アポロン、アテナたちオリュンポスの一族と闘う事にして、更に「不死の神々の戦いの決着には、人間の力が必要」だとする実際のギリシャ神話伝説を元にテセウス、ヘラクレスも仲間にする…などという英雄譚にしたらゴージャスだったのになぁ。

もしくはティタンノマキアーを忠実に再現するとか。そのほうがよっぽど話に拡がりがあるけど…?
と色々言いたくなる物足りなさ。

それに、人間による祈りで神のパワーが弱まるというのは、この映画シリーズの大きな特徴と言えるが、それだったらゼウスに祈ろうと兵士に呼びかければいいのに…。

サム・ワーシントンの演技は真剣さを帯びたけど、そんなにシリアスに演技する題材だろうか。
レイフ・ファインズ、リーアム・ニーソンのキャストが勿体無い。
前作の方が娯楽作品としては楽しめた。

人間賛歌を謳うには話が単純すぎるし、もしや、無神論を普及するための映画(笑)?


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インモータルズ [ファンタジー]

★満足度65点

インモータルズ -神々の戦い- [Blu-ray]

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  • 出版社/メーカー: ジェネオン・ユニバーサル
  • メディア: Blu-ray

■ビジュアルは最高にいいのに

私はギリシャ神話ものに弱い。
そしてターセム監督に甘い。
ほんとにほんとに勿体ない!!
全てのシーンが、まるでフレスコ画や油絵画の色彩そのまま、神話の世界が動き出したような重厚さと静謐さを表現しているのに。
肝心の話のテンポはよいとは言えず、しかもやたら画面が暗いシーンばかりなのである。

これでは、ただでさえギリシャ神話の相関図が複雑すぎて頭に入っていない人にとっては、誰が誰なのやら。
映画は、どんな予備知識がなくてもある程度わかるように伝えなくては、楽しむ以前の問題になってしまうと思う。

しかし、数多のギリシャ神話映画ものの中で割とコスチュームが神々しくて気に入った映画ではあったし、ティターン族の囚われた地下牢もなんとも不気味で斬新だった。
テセウスが投げた槍が敵兵に刺さるシーンなど、随所に「300」スタッフならではのグロギリギリのダイナミズムを味わえたし、クライマックスでアテナとヘルメスが死んでしまうのも、既存の神話にとらわれず意外な展開だった。
特にアテナはゼウスの頭から生まれ、彼に大変かわいがられたという神話があるだけに、美貌と優しさと毅然とした戦う正義の神として、面目躍如の活躍だった。

などなど、かなりいいシーンも盛り込まれていたにも関わらず、観客は最後までおいてけぼり感を拭えないまま消化不良で終わってしまうだろう。
ティターン族は古(いにしえ)の神族である。だから力はゼウス、アテナ、ポセイドンらと拮抗していてもしょうがない。

ティターン一族であるクロノスは生まれてくる子供らを次々に呑み込んでしまったが、ゼウスだけはなんとか母に助けられ、父の腹にいる兄弟を助け出し、その彼らが新しく神々の世を治める「オリュンポスの神々」になる。
ということなどが、簡単にでも説明がなされていれば、何故ティターンがゼウスらを激しく憎み、またゼウスらがティターン族の反乱を恐れいたかがわかり、テセウスとハイペリオンの戦いが、ひいては神々の戦いに通じるということも理解できる。
ゼウスがギリギリまで人間同士の戦いには介入しない、という姿勢でいたのも、ハイペリオンの野望がどこまで神の領域に踏み込むのか、そこを見極めたかったのだろうとも思う。
つか、クレジット読んで初めてヘラクレスが出てたことを知りました。どこにいたの?
軍神マルス、ポセイドンももう少し際だたせてほしかったなぁ。

【ザ・セル】ではサイコキラーのスリリングな展開と、ターセムの毒々しい美意識が見事に融合していて、二回も見てしまった程だが、「落下の王国」辺りから己の世界観を表すためのイメージフィルムのようになってきてしまった。
脚本が悪いのか、編集が悪いのか、ターセムが悪いのか。
映像美は一級なので、もう一度立ち返ってほしい。

 

ザ・セル [DVD]

ザ・セル [DVD]

  • 出版社/メーカー: パイオニアLDC
  • メディア: DVD

俳優メモ>>スティーブン・ドーフ

最近はいつも2・3番手の役ばかりでぱっとしませんねー。化ければ顔も似てるしエキセントリックな雰囲気もあるので、ユアン・マクレガーのような立ち位置を狙えそうなのに。
そんなに筋肉質ではないのに、テセウスに比べ貧相な防備のまま全編通してましたせいで、余計気になりました。


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